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  <title>医療法人　陽晃会</title>
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  <description>医療法人　陽晃会: Recent Entries</description>
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  <title>医療法人　陽晃会</title>
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 <title>医療費削減政策への拘り  :: 医 学</title>
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 <description>『絶望の中の希望〜現場からの医療改革レポート』　上 昌広　　　第２８回　医療費削減政策を考える                第一回：正規雇用されない医師たち　平成１６年に導入された新臨床研修制度と、その見直し案（厚労省がパブリックコメント...</description>
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 <pubDate>Sat, 13 Jun 2009 00:15:26 +0900</pubDate>
 <category domain="http://www.yokokai.com/index.php?mode=category&amp;sub=医 学">医 学</category>
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 <![CDATA[
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<p><span style="font-size: 12pt;">『絶望の中の希望〜現場からの医療改革レポート』　上 昌広</p>
　　　第２８回　医療費削減政策を考える
<p>                第一回：正規雇用されない医師たち</p>
　平成１６年に導入された新臨床研修制度と、その見直し案（厚労省がパブリックコメント募集中）について、総合医導入が医療費削減と二人三脚で進められてきたことなど、その経緯や問題点について述べてきました。

２月２５日
<p> http://ryumurakami.jmm.co.jp/dynamic/report/report22_1549.html </p>
３月１１日
<p> http://ryumurakami.jmm.co.jp/dynamic/report/report22_1561.html </p>
３月２５日
<p> http://ryumurakami.jmm.co.jp/dynamic/report/report22_1575.html </p>
今回は、厚労省が様々な医療政策を打ち出す中で、一貫して守ってきた医療費削減政策について考えてみましょう。この根源的な問題を解決しない限り、日本の医療に未来はないと言っても過言ではありません。

<p>【　医療費削減による医療者の雇用数不足　】</p>
　我が国の医療費は、ＯＥＣＤ２７カ国中２０位（対ＧＤＰ比８．１％）と低位にあります。医療費削減政策の結果、日本の病院の７３％（うち自治体病院の９１％）は赤字となっていますから、当然、人件費を削るため、職員の雇用数も抑えられてきました。全国公私病院連盟と日本病院会の２００８年調査によれば、医業収支の赤字は１００床当たり月約１２６１万円に上っています。

<p>　病院で働く職種には、医師、看護師、薬剤師、放射線技師、臨床検査技師、衛生検査技師、栄養士、社会福祉士など、厚労省の統計に挙がっているだけでも約１６種類あります。もちろん事務職員も必要です。実際、日本の病院で働く職員１６７万人のうち医師は１０．７％に過ぎず看護師３３．９％、看護業務補助者１１．９％、事務職員９．２％となっています。</p>
　昨年、政府は方針を転換し、医師養成数を増やすことになりましたが、コメディカルに関しては未解決です。実はコメディカルの置かれた状況は医師とは全くことなります。養成数は十分ですが、雇用数が足りないのです。

<p>　例えば、看護師の国家試験合格者数は毎年約４．６万人であるのに対し、病院に勤務する看護師数は、ピークの２５〜２９才においても１才あたり２．７万人しかいません。また、病院に就職した新卒看護師のおよそ１１人に１人が１年以内に退職（離職率９．３％）します。</p>
　薬剤師の国家試験合格者数は毎年約８千人ですが、病院薬剤師はピークの３０〜３９才でも１才あたり約１，３００人しかいません。厚労省の検討会で、薬剤師の卒業生にとって病院に入れるチャンスは大変難関と指摘されているように、病院の採用数が限定されているのです。他にも、看護業務補助者や事務職員等、資格のない職員も大勢必要です。

<p>　これらすべての職種の病院従事者数を合計すると、１００床あたり、日本は１０１人に対して、イギリス７４０人、アメリカ５０４人、イタリア３０７人、ドイツ２０４人です。同様に、１００床あたり看護師数は、日本は３４人ですが、イギリス２００人、アメリカ１４１人、イタリア１３６人、ドイツ７５人です（OECD Health Data 2007）。日米の同程度の規模の病院を見ても、日本の病院の人手不足は明らかです。</p>
愛知県がんセンター（４７３床）とMD Anderson がんセンター（米国、４５６床）の１００床あたり職員数は、それぞれ１８６人、３，１２５人と、実に１７倍の違いがあります。

<p>　これほど人手不足の状況にありながら、日本は世界最高水準の医療を提供しているのですから（WHO Health Report 2000ではっきりと述べられています）、医療現場から過重労働の悲鳴が上がるのは当然です。すなわち、現在の「医師不足」問題は、医師の問題だけでなく、医師以外のコメディカル雇用数の不足という問題なのです。</p>
　病院の人手不足による労働負担はすべての職種にかかりますが、特に、無制限に働く状況に置かれた医師の勤務時間は長く、週平均７０．３時間（厚労省データ）に上ります。一方、ヨーロッパ諸国の医師の勤務時間は、週平均約４０〜５０時間です（OECD Health Working Papers）。

<p>　日本の医療現場では、医師以外の職種ではなんとか時間制や交代勤務制になっていますが、医師では交代勤務制が未だに実現されず、労働組合も存在せず、入院患者を受け持てば２４時間３６５日働かざるを得ないため、結果として医師が最も安い労働力となっています。１時間当たり単価は、研修医を終えた大学病院の医員で１，４４９円、医学部教授で１，６９０円ですが、医学部以外の大学教授では４，５６６円という報告もあります。</p>
　勤務時間だけならば、他にも長時間働く職業はあるかもしれません。しかし、患者の生命に直結する判断を分刻みに要求される医師が、ほとんど睡眠もとれない状態で働いていることは、患者の安全性にマイナス影響があると言わざるを得ません。２４時間覚醒時にはアルコール血中濃度０．１０％と同程度の注意力しかないことが、イギリスの科学誌Natureに報告されています（アングロサクソンの凄いところは、医療安全が問題になると基礎科学からも同調して研究成果がでてくることです）。これは、ビール大瓶２本飲酒後のほろ酔い〜酩酊初期にあたり、手の動きが活発になる、理性が失われる、脈が速くなるなどの状態で、運転すると交通事故の可能性は６〜７倍という状態です。

<p>　産婦人科では平均月４〜６回の当直をしており、そのたびに徹夜で、翌日も通常勤務をしています。このような当直明けの医師たちは、ほろ酔い〜酩酊同然の状態で手術などの診療に当たっています。皆さんは、徹夜明けで３６時間連続勤務している医師に、手術してほしいと思いますか？</p>
【　医療費削減によって正規雇用されない医師たち　】

<p>　大学医学部６年を卒業した医師のうち、正規職員（常勤職）ポストに就けるのは、わずか４０％に過ぎません（厚労省調査）。それも卒後２年間の契約ですから、３年目には解雇され、どの病院に就職するか、常勤職につけるか否か、全く予測ができず、若い医師たちは不安にさらされています。これでは普通の人生設計などできず、将来の夢も持てないのも無理はありません。医師は、特に２０〜３０歳代のうちは、数か月から２〜３年で勤務先病院を転々とするので、退職金も年金も生涯賃金も考えられない状態にあります。</p>
　その最たるものが、厚労省が決めた新臨床研修制度における、１ヶ月ずつ異なる診療科（又は異なる病院）を回る「スーパーローテート」と言えるかもしれません。当の厚労官僚が、財団を新設し、天下りを繰り返して、退職金や生涯賃金を増やしているのとは対照的です。

<p>　例えば、私が勤務した経験がある国立がんセンター（厚労省直轄です）では、レジデントと呼ばれる２０歳代終盤から３０歳代の医師たちが主戦力として働いていました。しかし、彼らは非常勤で、ボーナスも身分保障もなく、１日６時間の日雇いです。１ヶ月分の給与は、２０万円前後です。年末年始など休日の多い月は彼らの収入は減りますが、実際に正月も休みなく２４時間病棟を支え、当直もこなしています。ちなみに、労働時間を６時間としているのは、それ以上にすると旧労働省サイドから常勤扱いを求められるからだそうです。</p>
　さらに、国立がんセンターでは、雇用関係がないために身分も収入もない「研修生」と呼ばれる医師が働いています。彼らは無給です。

<p>　前述のとおり医師の交代制は実現していないため、深夜の帰宅、深夜の呼び出しなど緊急対応もしなければなりませんし、病院からタクシー代など支給されませんので、必然的に病院から徒歩圏内に住まざるを得ません。そのため東京の一等地にある国立がんセンターで診療するということは、家賃の高い一等地に住むことを意味します。月収２０万円あるいはゼロでは生活できませんから、休日・夜間は地方の病院へ行くなどして当直をこなし、生活費を稼がなければならなりません。こうして休みの全くない生活をしています。毎年のように、家族を養えないという理由で辞めていく医師がいます。</p>
　このように、厚労省の長年にわたる医療費削減政策によって、医師の正規雇用ポストは制限されてきました。医師は、社会的身分も保障もないまま、自らの生活の心配をしながら、タダ働き同然で医療を支えるのが当然とされてきたのです。

<p>【　医療費・教育費削減によって大学病院でも・・・　】</p>
　大学病院の医師たちの立場は、目を覆うものがあります。厚労省調査によると、全国の大学病院には、臨床系の教官又は教員２２，３０４人に対し、それ以外の従事者、つまり正規雇用ポストについていない医師が、ほぼ同数の２２，３８４人います。この正規雇用されない医師の割合を年齢階級別にみると、２５〜２９歳で９３％、３０〜３４歳で７６％、３５〜３９歳で３７％となっています。さらに、大学病院と雇用関係がないにも関わらず診療に従事している医師は、文科省調査によると少なくとも５，７４４人います（ソネットエムスリーより）。

<p>　臨床研修制度が導入された平成１６年以前は、当たり前のように医師は「大学にたくさんいる」と考えられ、実際に日本のほとんどの病院は医師の供給源として大学を頼りにしてきました。ところが、「大学にたくさんいる」医師たちの多くは、常勤職に就けず、社会保障を得られない、あるいは、非常勤ポストさえない、身分のない医師たちなのです。</p>
　医療費と同様に、対ＧＤＰ比の教育費も、日本はＯＥＣＤ３０カ国中２６位と低位にあります。特に国立大学は、平成１６年、新臨床研修制度導入と同時に独立行政法人となったときに文部省から負わされた借金が、１兆円を超えます。その後も毎年、運営費交付金は約１５％ずつ減らされています。

<p>　大学医学部の教員数は昭和３１年以来、文部省（当時）の大学設置基準により「収容定員７２０人までの場合の専任教員数」１４０人と決められています。そして現在に至るまで、教員ポストは増えていないのです。このため、大学では非正規雇用の医師ばかりが増加しています。これで良い医師を育てることができるでしょうか？</p>
　さらに、この４月から医学部入学定員が６９３人増えましたが、文部官僚が教員数や教育費を増やすことはなく、大学病院の現場から上がる悲鳴は、ますます大きくなりそうです。

<p>【　医師不足対策には医療費増・教育費増・ドクターフィー導入が不可欠　】</p>
　日本の大学医学部の教員数は、極めて少ないことが知られています。例えば、米国ハーバード医学校の常勤教員数は８，０７４人、医学生（４学年）は７２８人ですが、東大医学部の常勤教員数は２３５人、医学生（４学年）は４３５人です。医学生一人あたりの教員数は、ハーバードでは１１．１人、東大では０．５人です。この教員の少なさは、既に述べてきたとおり、医療費・教育費の削減のために、人件費を削減してきた結果と言えるでしょう。

<p>　米国では、なぜこんなに多くの医師が大学教員として働いているのでしょうか。実は、ほとんどの医師は開業医です。開業医が、自分たちの診療所での診療と同時に、一般病院・大学病院での診療や教育を担っているのです。これは、一般病院・大学病院で働いた分の報酬が、きちんと開業医にも支払われるから実現可能なことです。</p>
　ところが日本の医療費は、ドクターフィーとホスピタルフィーが分離されておらず、ホスピタルフィーのみで構成されています。厚労省が定めている診療報酬の現行制度では、医療費はすべて医療機関に対して支払われます。医療機関から、医師を含むすべての職員の給与や必要な医薬品・物品購入、機器メンテナンス等の経費が支払われるのです。こうして、開業して病院との雇用関係がなくなった医師たちには、もし病院で働いたとしても報酬を支払わない、つまり、開業医には病院での診療や教育は担わせないというのが、厚労省の方針と言えます。

<p>　ちなみに、現場からの意見を反映して、舛添厚生労働大臣の主導で行われた「「安心と希望の医療確保ビジョン」具体化に関する検討会」の報告書（平成２０年９月）や「周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会」の報告書（平成２１年３月）には、ドクターフィーについて明記されています。しかし、厚労官僚は依然としてドクターフィーの準備を始めたという発表はありません。</p>
　先般、医学部入学定員を６９３人増やすことが決まりましたが、焼け石に水といわざるを得ません。厚労省がドクターフィーの導入を拒み続け、９．５万人の開業医を病院から切り離している限り、病院の医師不足が解消されることはありません。現在、問題となっている「医師不足」は、開業医の不足というより、主に病院の医師不足なのです。

<p>　厚労省は新たに、病院と診療所の連携や、病院の夜間救急を開業医に手伝わせるなどの施策を進めようとしていますが、開業医にタダ同然で病院に働きに来させるという発想からして、絵に描いた餅に終わるでしょう。</p>
【　診療報酬引き下げによる雇用削減　】

<p>　医療機関にとって唯一の収入源である医療費は、厚労省が値段（診療報酬点数）を決め、３３兆円の配分を決めています（この意味で医療は完全な「戦時下統制経済」です）。</p>
　この医療の値段をほぼ２年に１度削減することによって、医療費削減政策が貫かれてきました。２００２年の改定では、マイナス２．７％という大幅な削減が行われ、結果、全国の病院で２．７万人の雇用削減となりました。問題なのは、事務職員や看護業務補助者など資格を持たない職員の雇用が４．８万人減少し（看護師などの雇用数を増やしたためネットでは２．７万人の減少です）、その後も減少の一途をたどっていることです。資格を持たない職員が減少すれば、資格がなくてもできる業務を残された医師や看護師が担うことになるのは当然です。

<p>　これに対し２００７年１２月２８日、厚労省は「医師及び医療関係職と事務職員等との間等での役割分担の推進について」という医政局長通知で、「病院に勤務する若年・中堅層の医師を中心に極めて厳しい勤務環境に置かれているが、その要因の一つとして、医師でなくても対応可能な業務までも医師が行っている現状がある」として、関係職種間で適切に役割分担を図るようにと通達しました。この通達を聞いた現場は、「分担したくてもできる人がいないから厳しい勤務環境になっているのに、一体誰に分担しろというのか」という諦めにも似た無気力感を持ちました。むしろ、厚労省の矛盾する方針の辻褄合わせのために、現場に不可能を要求しているのではないかとさえ思えてきます。</p>
　この問題を解決するためには、医師に限らず、すべての病院職員の雇用を増やす必要があります。

<p>【　医療費削減によって権限拡大する厚労官僚　】</p>
　なぜ厚労省は、こうまで頑なに医療費削減政策にこだわるのでしょうか。

<p>　昭和５８年に保険局長だった吉村仁氏が「医療費亡国論」を発表した当時は、経済成長が頭打ちとなり、それまで１０〜２０％（最大３６．２％）を維持してきた国民所得の対前年比が、昭和５４年に６．１％、昭和５７年に３．８％と落ち込んでいました。ですから、医療費の伸びも抑えなければならないと考えたのは、世界の潮流でしたし、妥当な判断でした。問題は、その後、医療の進歩による業務量増加や国民の価値観の変化、患者のニーズの変化など、時代は変わったにも関わらず、政府が医療費削減の方針を一貫して続けてきたことです。</p>
　医療費を削減した結果、医療崩壊が進み、現場から悲鳴が上がれば、厚労省はその「対策」と称して補助金や基金を新たに設立します。医療費そのものである診療報酬点数は削減し続けたままです。このような方法を多用すれば、官僚が焼け太るだけで、医療現場は益々荒廃します。

<p>　それは、患者を診療することの対価として得られる医療費（診療報酬）と違って、これらの補助金や基金からお金を受け取るためには、本来の患者の診療には不要なはずの書類作業や、細部にわたる厚労官僚の規制をすべてクリアしなければならないからです。時には、病棟とは「かくあるべし」という厚労官僚の机上の理想を押しつけられて、壁やドアをつくるなど、病院の改装工事までしなければならなかったケースまで聞かれます。患者の診療には不要であり、どんなにくだらないと思っても、医療費を削減されて赤字だらけの病院が生き残るためには、患者のニーズに従うのではなく、厚労省の指示に従わなければならないのです。</p>
　これを厚労官僚の側から見ると、全く違った見え方になります。医療費を削減すればするほど、現場は何も文句を言わずに自分たちが決める制度に従ってくれるからです。こうして厚労官僚は、医療費を削減することによって、医療機関を支配する自らの権限を強化してきたとみなすことも可能です。

<p>　例えば、新臨床研修制度が導入されたときも、この制度に伴う補助金を得るために、病院は黙って従うしかありませんでした。厚労省の方針が間違っていると現場の医師たちが考え、「こんなもの蹴ってしまえ」と言っても、経営陣の判断で、補助金を得るために厚労省に従ったのです。</p>
　また、2009年４月１日、厚労省は「産科医療確保事業」という新たな補助金の通達を出しました。これは、「人手不足によって過重勤務を強いられている医師に、せめて時間外勤務手当を」という現場からの要望に応えて、舛添大臣が昨年から「医師に手当てを」という方針を貫いてきたのを受けたものでした。が、大臣の指示に対して、１年に及ぶ予算折衝の末に厚労官僚が示したものは、診療報酬という医療費本体ではなく、この補助金でした。

<p>　しかも、この「産科医療確保事業」では、現場が要望してきた「時間外」の分娩に関わる「すべての診療科医師」への手当という方針を無視して、全く違うものになっています。「すべての分娩」の「産科医のみ」を対象とし（麻酔科医や小児科医は除く）、その代わりに、「分娩費用が５０万円未満」の病院と決めたため、高度医療を担う多くの病院には還元されないことになりました（ソネットエムスリー「4/2号　医師個人への「分娩手当」は絵に描いた餅？」）。</p>
　また、翌４月２日には、政府・与党が深刻な医師不足に対応するため、「地域医療再生計画」を策定し、１兆円規模の基金を創設すると報じられました（共同通信）。
<p>これによって、現場にとってはいったい何が解決するのでしょうか？　現場が最も困窮しているのは人手不足ですが、果たして病院の雇用人数は増えるでしょうか？　何も具体的な議論はありません。「医療費削減政策を貫き、基金を新設して天下りポストを増やす」という、官僚が描いた絵に与党が従った政策であるかように見えます。</p>
　これまで厚労省が貫いてきた理屈は、「給与は雇用関係にある医療機関が払うべきものであり、国が払うべきではない」といったものでした。それがために、これまでの補助金による政策では病院の雇用は増えなかったのです。厚労官僚は、基金であっても同じ理屈を繰り返すことでしょう。

<p>　最後に、去る２月３日、厚労省の「周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会」で、現場の医師たちから、渡辺厚生労働副大臣が集中砲火を浴びた場面を少しご紹介します。診療報酬（医療費本体）を削減され、補助金ができても人件費に「使えない」ため、現場がいかに困窮しているか、おわかりいただけるでしょう。</p>
●医師ら：「我々の唯一の血と肉である診療報酬が段々とこうなってしまったから、救急もすっかり疲弊している」「（補助金についても）結局は国が何分の１か出して、残りは都道府県と事業主が負担するという形では、お医者さんのフィーなんて絵に描いたモチだ。」「もう一度確認する。人件費は柔軟に使えるのか。」「使えるようにしていただきたい。往々にして現在の医師に対するインセンティブでなく、他の人を雇いなさいという指示が来る。しかも雇うような医師がいればいいけどいない。」「ちょうど、衆議院議員がいる。これでお金回るとお思いですか。事業者で手当てなんて払えないのがいっぱいいる。だから皆疲弊している」

<p>●渡辺副大臣：「医師がいなければ雇えないというのと類似のもので、来てくれる人がいなければ、この予算も使いようはないのかもしれないが」「無理してでもやるという所を支援しようということ」</p>
●医師ら：「どこも心はある。でも出す金がない。そういうのが分かったうえでの、この予算を読むと、なんだ嘘じゃんとなる」「現場のどこから金を持ってくるのか、みんな赤字なのに。実現可能性がない。こういう制度をずっと国家がやってきた。国の仕組みがおかしいんではないのか。社会保障が大切だというのなら、国がしっかりやりなさい。大臣も現場から声をあげてくれということで、この委員会をやっているのだから、そこを提言したらよいではないか」

<p>●渡辺副大臣：「提言の方は大臣がやっていたので中身まで承知してないが、先生のおっしゃったことは非常に重要だと思う。ただ財政的に厳しい中で、少しでも、一歩でも踏み出して何とかしようということで、今までより踏み込んだ形で、もしやっていただけるなら直接助成するということにした。何とか県の方にも協力を求めていきたいし、それをやっても改善しないのなら改めて別の方策を探りたい」</p>
●医師ら：「財政が厳しいという前提が崩れないなら、この話はできない。これからの日本をどういう国にするつもりなのか。財源をつくるのが政治家の仕事ではないのか」

<p>●渡辺副大臣：「今回は厚労省も何とか工面した」</p>
●医師ら：「それでいこうと言えないのか。何のために議員をやっているのか」「外口局長は法律に従わないといけないんだから、本当にそういう法律があるのか知らないけれど、ルールなら仕方ない。しかし政治家の仕事は法律を作ることのはず。先生方ならできるはずではないか」

<p>　医療問題が政治テーマとなって、既に３〜４年経ちました。しかし依然として、病院の雇用者数を増やすという希望は見えてきてはいません。</span></p>
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<span style="font-size: 8pt;">上　昌広（かみ・まさひろ）
東京大学医科学研究所　探索医療ヒューマンネットワークシステム部門：客員准教授
Home Page:( http://expres.umin.jp/ )
帝京大学医療情報システム研究センター：客員教授
「現場からの医療改革推進協議会」
http://plaza.umin.ac.jp/~expres/mission/genba.html 
「周産期医療の崩壊をくい止める会」
http://perinate.umin.jp/ 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
JMM [Japan Mail Media] 　　　　　　　　　　　　　　 No.526 Wednesday Edition
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【発行】　　有限会社　村上龍事務所
【編集】　　村上龍
【発行部数】128&amp;#44;653部
【WEB】　 http://ryumurakami.jmm.co.jp/ </span>]]>
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 <title>認定審査会委員として  :: 全 般</title>
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 <description> この4月から介護保険の認定の方法がかわりました。変更された内容が明らかになると、多くの利用者やその家族、介護関係の団体、施設の事業者などから　「高齢者介護の生活実態に即した改定とはいえない」という不安や不満、怒りの声が上がりました　　その...</description>
 <comments>http://www.yokokai.com/index.php?mode=comment&amp;TID=1244296295</comments>
 <pubDate>Sat, 06 Jun 2009 22:51:35 +0900</pubDate>
 <category domain="http://www.yokokai.com/index.php?mode=category&amp;sub=全 般">全 般</category>
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 <![CDATA[
<img src="http://www.yokokai.com/PIX/s2/1244296295_8190061.jpg" alt="161:950:1122:135:160:8190061:right:0:0::"/>
<p><span style="font-size: 12pt;"> この4月から介護保険の認定の方法がかわりました。変更された内容が明らかになると、多くの利用者やその家族、介護関係の団体、施設の事業者などから　「高齢者介護の生活実態に即した改定とはいえない」という不安や不満、怒りの声が上がりました　</p>
　その波紋の広がりに厚生労働省は施行直前の3月24日、新しい調査基準の一部見直しを発表しましたが　「修正は表現を変えただけで不十分」と批判の声はおさまらず、導入してわずか数日で「経過措置」という異例の対策を講ずる羽目になっています。

<p>　政府は「介護給付の適正化」により介護保険の信頼性を高め持続可能な介護保険制度制度を構築していく」と説明してきました。政府のいう「介護給付の適正化」とは「不適切な給付を削減し、適切なサービスを確保する」となっています。</p>
　しかし先ごろ共産党小池議員が入手し発表した厚生労働省の内部文書により、国の狙いが「適切なサービスの確保」ではなく「要介護認定調査の変更」による給付費の削減だったことが裏付けられました。

<p>　公表された内部資料（要介護認定平成21年度制度改正案）には要支援2と要介護1の認定の割合が　「当初想定していた割合7対3にならず5対5になっている」として、要支援2と要介護1の割合が想定していた7対3になるように軽度の人を増やす方針が明記されています。認定度がかるくなれば給付の削減につながることは明らかです。</p>
　次に要介護認定の度合いを軽くする仕組みについて解説します。

<p>　ひとつは調査員が申請者に聞く調査項目を82項目から74項目に減らして介護度が軽く出るようにしたことです。</p>
　以前から1次判定では認知症の人が軽く判定される傾向にあると云われてきましたが、今回の改定ではそれがますます顕著になっています。

<p>　削除された項目に「火の始末」があります。これは命にかかわり、近所の住民に不安を与え、家族には目の離せない行為です。</p>
「幻視・幻聴」によって夜中の徘徊行為も生じます。水分補給も命にかかわります。「飲水」もなくてはならない項目です。削減された項目はいずれも2次判定で重視されてきた項目ばかりです。

<p>　二つめは聞き取り調査の判断基準です。これも変えられました。たとえば寝たきりのため「移動」や「移乗」のできない人は「介助されていない」にチェックが入ります。薬の服用では、3月までは飲む時間を忘れたり、飲む量が分からない人は「全介助」でした。4月からは「適切に薬を飲めていない」場合でも　「介助されていない」です。</p>
　今回の判定基準の変更には、調査にたずさわる専門家のみなさんから「これでは申請者の実態が反映されない」と批判の声があがっています。

<p>　三つ目は審査委員会の権限の問題です。介護サービスを利用するためには市町村の担当窓口に申請します。調査員による聞き取り調査を受けます。その結果をコンピューターに入力します。これが1次判定です。</p>
　次に保健・医療・福祉の専門家3人以上で構成する介護認定審査会が、1次判定に基づいて訪問調査員の特記事項と主治医の意見書を加え、申請者の生活の全体像を把握し判定します。これが2次判定です。

<p>　この二つの段階を経てサービスが利用できるようになります。</p>
　この2次判定は「1次判定を修正・確定し、必要に応じて1次判定の変更を行う」ことのできる唯一の場です。3月までは審査会の2次判定で要支援・要介護に振り分けていた作業が、要支援2と要介護1の割合が想定していた7対3にならない原因は介護認定審査会にあるとして、今回の改定から判定作業をコンピューターに任すなど審査委員会の権限が大幅に引き下げられました。

<p>　適正化と称して介護給付を削減し、これが世論の追求にあい「経過措置」をとらざるを得ない始末になっています。介護保険制度をコンピューター任せにせず、利用者やその家族の介護と生活の状況に合わせて十分に介護が行き届く制度にしていかねばなりません。</p>
　おかしいと思ったら黙っていないで声を上げていくことが大切です。「適正化」などという大本営発表のような言葉に騙されてはいけない。</span>]]>
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 <title>晩婚化＋晩産化＝少子化  :: 時評</title>
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 <description>　女性１人が生涯に産む子どもの推定人数を示す合計特殊出生率が、厚生労働省の人口動態統計で３年連続の上昇となった。　上がったとはいえ、08年は1.37、07年は1.34、０6年は1.32と、依然人口維持に必要なレベルにはほど遠い。　05年の1...</description>
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 <pubDate>Sat, 06 Jun 2009 00:40:34 +0900</pubDate>
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<span style="font-size: 12pt;">
<p>　女性１人が生涯に産む子どもの推定人数を示す合計特殊出生率が、厚生労働省の人口動態統計で３年連続の上昇となった。</p>
　上がったとはいえ、08年は1.37、07年は1.34、０6年は1.32と、依然人口維持に必要なレベルにはほど遠い。

<p>　05年の1.26を底とする深い谷から、辛うじて脱しつつあるというところだろう。</p>
　年齢別でみると、出生率の全体の上昇分の６割までを30代が占めている。職場でいえば中堅で、責任も重くなる世代だ。

<p>　晩婚、晩産化が進んでいる。この流れは30年以上にわたり続き、ますます加速している。キャリアを積んだ女性がいつでも安心して出産に踏み切れるような支援態勢が欠かせない。</p>
　出生率は上がったものの、出産世代の女性の人口は減少している。出生数から死亡数を引いた人口の自然増減数は、過去最大のマイナスとなった。少子化に歯止めがかかったとみるのは早計だ。

<p>　背景の一つに未婚率の高さがある。05年の国勢調査によると、30代前半の男性の47％、女性の32％がこれまで一度も結婚を経験していない。</p>
　社会が豊かになり、多様な選択肢を得たことも非婚が増えた理由の一つだ。とりわけ女性が経済力をつけ、男性に経済的に依存しなくても生活できるようになったことの影響は大きい。

<p>　景気の状況も出生率を左右させる要素だ。昨年秋以降の経済危機で雇用情勢は急速に悪化した。</p>
　子育てに専念していた女性が家計を支えるため、再就職を余儀なくされるケースも増えている。出生率を改善するには、子育て家庭への生活支援を強化することも必要だろう。

<p>　働く女性の多くが「仕事か子育てか」の二者択一を迫られる状況も改善されていない。出産を先延ばしにしてきた、いわゆる「アラフォー」（40歳前後）の?駆け込み出産?も増えてきている。</p>
　女性が望んだときに、安心して出産に踏み切れる環境が用意されていることが理想だ。晩婚・晩産化の進行は、理想と現実との乖離を象徴しているともいえるのではないか。

　少子化に歯止めがかからないのはなぜか。当事者たちの切実な声にもっと耳を傾ける必要がある。</span>]]>
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 <title>新型インフルエンザ対策について  :: 医 学</title>
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 <description>　新型インフルエンザの感染が広がっている。各国で報告されているように病原性は低いようだが、国内ではパニックに近い状況になりつつある。落ち着いて現状を評価し、次の手を打つべきだ。　政府の対策は、高病原性鳥インフルエンザの人への蔓延という最悪の...</description>
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 <pubDate>Sun, 24 May 2009 23:53:26 +0900</pubDate>
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<span style="font-size: 12pt;">
<p>　新型インフルエンザの感染が広がっている。各国で報告されているように病原性は低いようだが、国内ではパニックに近い状況になりつつある。落ち着いて現状を評価し、次の手を打つべきだ。</p>
　政府の対策は、高病原性鳥インフルエンザの人への蔓延という最悪のシナリオを前提にして作られた。東南アジアで鳥インフルエンザがまん延していることを考えれば、そのこと自体は間違っていなかったと思う。

<p>　ただ可能であれば、感染の広がりだけでなく、病原性のレベルに応じた複数の対策を作っておけばよかった。</p>
　歴史を振り返ると、インフルエンザの世界的流行（パンデミック）には、非常に被害が大きかった「スペイン風邪」もあれば、それよりも被害の少ない「アジア風邪」や「香港風邪」もあった。

<p>　一方、致死率が60％を超える現在の鳥インフルエンザのような病原性の極めて高いインフルエンザがパンデミックを起こしたことは、少なくとも20世紀にはなかった。</p>
　そうした事実を踏まえ、感染の広がりに加え、重症度がこの程度ならこういう対応を取るという、複数段階のレベル別の対応指針を作っておくべきだった。

<p>　きめ細かな道筋が決まっていたならば、最悪のシナリオと現実とのギャップに苦しむこともなく、混乱を招くことはなかったと思う。欧米で混乱が起きていないのはそういう柔軟な対応ができているからではないか。</p>
　一部の医療機関で診療拒否が起こったのは、最悪のシナリオだけが示されていたために、見えないものに対する恐怖が先行してしまった側面があるように思う。

<p>　今後は対策を修正して、現実に見合った対応をしていかなければならない。それには、このウイルスの特性、病気の状態をきちんと解析しなければならない。</p>
　入院した人がどのような経過で改善したのか。あるいは重症の人はなぜそうなったのか。臨床の専門家が現実の患者のデータを解析して、このインフルエンザのリスクを評価する必要がある。

<p>　それに基づいて現実の対応を考えなければならない。もちろん個人がマスクや手洗いなどで感染を防御するという基本はどのシナリオでも同じだ。だが行動制限など社会の危機管理は変わる。</p>
　リスクを評価し、病原性が低いと分かったら、それに応じて医療態勢を決めなければならない。その際、感染が広がっているのに、熱の出た人は全員、発熱外来に行くことにすると、パンクしてしまう。

<p>　病原性が低いなら、軽症の人は一般の開業医に診てもらうことも可能になる。その態勢を保ちつつ、重症化する人をターゲットにした対応に持って行かねばならない。</p>
　そのためにはすべての医療機関の参加が必要だ。大病院の一部は重症の人を引き受ける。インフルエンザ以外の重症患者を診る病院もなければならない。開業医は自分の患者を守りながら、発熱外来を支援する。そんな態勢が求められる。

<p>　仙台市では百を超える医療機関が参加し、全国に先駆けて、発熱外来をみんなで分担していく動きが出ている。冷静な判断であり、それが医療従事者の務めだと思う。</p>
　秋には病原性の高いインフルエンザに変わるかもしれない。おびえるのではなく、どの程度のリスクかを確実に把握し、社会で共有しないといけない。さもないと、再び訳も分からないまま右往左往することになる。</span>









<span style="font-size: 8pt;">東北大教授　賀来満夫
<p>　かく・みつお　53年大分県生まれ。専門は感染症学・感染制御学。99年から現職。厚生労働省院内感染対策中央会議メンバー、世界保健機関（WH0）新型肺炎（SARS）インフルエンザ対応外部専門家を兼務。</p>
レベル別の指針必要
<p>　　リスク把握し混乱防げ</p>
2009年5月20日
高知新聞　夕刊
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 <title>子どもと貧困  :: 時評</title>
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 <description>　派遣切り。ホームレス。無保険。　急速に悪化する経済状況の中で、日本の社会保障制度が十分なセーフティーネット（安全網）としての機能を持っていないことが次から次へと明らかになっている。　しかし、どんなに厳しい状況にあっても、「派遣村」の映像に...</description>
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 <pubDate>Sun, 10 May 2009 00:09:18 +0900</pubDate>
 <category domain="http://www.yokokai.com/index.php?mode=category&amp;sub=時評">時評</category>
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 <![CDATA[<p><img src="http://www.yokokai.com/PIX/s2/1241881758_NONALNUM-32B1F3C2ADB8DEC2E6BBB3.jpg" alt="56:400:599:107:160:NONALNUM-32B1F3C2ADB8DEC2E6BBB3:right:1:0::"/></p>
<span style="font-size: 12pt;">　派遣切り。ホームレス。無保険。

<p>　急速に悪化する経済状況の中で、日本の社会保障制度が十分なセーフティーネット（安全網）としての機能を持っていないことが次から次へと明らかになっている。</p>
　しかし、どんなに厳しい状況にあっても、「派遣村」の映像にも、貧困撲滅のデモにも、現れない層がある。それが、子どもである。

<p>　子どもの貧困は、2008年秋以降に起こった現象ではない。OECDの推計によると、日本の子どもの貧困率は、1980年代から上昇しており、2004年時点で14％に達している。OECD　25ヶ国の統計では、日本全体の14.3％が貧困となっている。（平均は12.1％）</p>
　この数値は2008年秋からの経済環境の変化の中で悪化していることは間違いない。

<p>　経済大国となった現代日本において、貧困に育つということはどういうことになるのであろうか。ここでいう「貧困」とは、「相対的貧困」という概念である。</p>
　この概念は食べ物にも事欠いているとか、衣服もボロボロである、といった「目に見える貧困」だけではなく、その社会における一般的な習慣や行動を行うことができるかを貧困の判断基準とする。

<p>　子どもの生活においては、高等教育への進学といった、教育の機会の損失だけではなく、修学旅行に行けないとか、クラブ活動ができないなど、ほとんどの子どもが享受している生活ができない状況である。</p>
　このような相対的貧困の状況にある子どもと、そうでない子どもを比べると、学力テストの点数や進学率をはじめ、健康状態、児童虐待、非行などのさまざまな指標において、貧困の子どもは不利である。

<p>　学校の現場からは、3割の自己負担が払えなくて、通常であれば医療機関に行くような病気や怪我でも、学校の医務室通いで対処しようとする子、夏休み中は給食がないので新学期に以前より痩せてくる子、高校の学費が払えなくて退学する子など、現代日本とは思えない事例が次々と報告されている。</p>
　日本は先進諸国で唯一、社会保障や税による「所得再分配」が行われた後で、子どもの貧困率が悪化している。これは子どもの貧困解消に公的支援が届いていないからである。

<p>　政府をはじめとする公的資金の投入が求められている。学費の低減や失業者の救済、安価な住宅の供給、貧しいケースの多いひとり親家庭へのサポートなど多彩なメニューが考えられなければならない。社会保障と税が機能していないからである。これが現代日本か！</p>
　日本の子どもの7人に1人が貧困に苦しみ「将来への可能性」が摘み取られつつあるという。いじめや不登校、親の解雇、家庭の不和などが原因で「社会のメーンストリーム」からはじき出された人が増えているからである。

<p>　現在は雇用保険や生活保護などのセーフティーネットに大きな穴が開いているので、いったん「貧困のサイクル」に転落すると、そこから抜け出すことが非常に困難になっている。このサイクルの中で成長した大人が子どもを持つと、その子どもも同じ道をたどる可能性がきわめて高くなる。（貧困の連鎖）</p>
　十分な教育機会の得られなかった層の正社員比率は低く、拡大している。日本には公的な貧困基準が存在していない。OECDでは、標準的な「手取り世帯所得」の50％未満で生活している18歳未満の子どもを「貧困」と定義するべきであるとしている。

<p>　子どもの貧困は、すべての福祉国家の最大の政策課題である。しかしながら、長い間、日本の社会は子どもの貧困を自らの問題として考えてこなかった。</p>
今こそ、これに気付くべき時である。

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 <title>ロコモティブシンドローム  :: 医 学</title>
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 <description>最近、テレビや新聞で「ロコモティブシンドローム」という言葉を頻繁に目にするようになりました。高齢化社会が急速に進展し、要介護状態の方々が増加している現状をふまえ、運動器の障害のために要介護となる危険性の高い状態をロコモティブシンドロームと呼...</description>
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 <pubDate>Sat, 02 May 2009 23:54:20 +0900</pubDate>
 <category domain="http://www.yokokai.com/index.php?mode=category&amp;sub=医 学">医 学</category>
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 <![CDATA[<p><img src="http://www.yokokai.com/PIX/s2/1241276060_locomo01.jpg" alt="33.4:590:418:160:113:locomo01:right:1:0::"/><span style="font-size: 14pt;">最近、テレビや新聞で「ロコモティブシンドローム」という言葉を頻繁に目にするようになりました。</p>
高齢化社会が急速に進展し、要介護状態の方々が増加している現状をふまえ、運動器の障害のために要介護となる危険性の高い状態をロコモティブシンドロームと呼んで、その自己点検法や予防法を開発しようと、一昨年、東京大学整形外科教授の中村耕三先生により提言されたものです。

<p>ロコモティブシンドロームの主な構成要因としては、骨粗鬆症、下肢の変形性関節症や関節炎、脊椎の変形や変性などによる神経障害があげられています。</p>
わかりやすい医療が求められている今、運動器障害のハイリスク状態をあらわす新たな概念として、ロコモティブシンドローム、略して「ロコモ」が「メタボ」のように、社会に浸透していくことを期待したいと思います。
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 <title>介護保険は死んだ  :: 医 学</title>
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 <description>　そもそも、医療と異なり、高齢者の大多数が関係してくる介護保険の中身が国民に広く知らされていないのはおかしな話です。　先般は損保、生命保険会社の保険金不払いが問題になっておりましたが今回の介護保険の改訂はこれにも匹敵するものと思います。　そ...</description>
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 <pubDate>Wed, 25 Mar 2009 22:28:36 +0900</pubDate>
 <category domain="http://www.yokokai.com/index.php?mode=category&amp;sub=医 学">医 学</category>
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<p>　<span style="font-size: 14pt;">そもそも、医療と異なり、高齢者の大多数が関係してくる介護保険の中身が国民に広く知らされていないのはおかしな話です。</p>
　先般は損保、生命保険会社の保険金不払いが問題になっておりましたが今回の介護保険の改訂はこれにも匹敵するものと思います。

<p>　それは契約時にある程度示されたサービスがその後詳しい説明も無く、４月から低いサービスしか受けれなくなるのは、保険金がいざというときに契約当初に示された額より少ない額しか支払われないと同じだ思います。</p>
　保険はお金で支払われる、介護保険は介護という形でサービスを提供しているだけです。保険金不払い問題と違いがあるとでもいうのでしょうか。

<p>　しかしながら損保、生命保険会社の不払いを厳しく指弾、指導しているのは介護保険サービスを国民に周知することも無く切り下げた政府・厚労省なのです。</p>
　もし介護保健が同じ保険料の支払いで、一段低いサービスしか提供されなくなるなら、契約者である国民にどの程度サービスが低くなるか示されるべきでしょう。

<p>　定額給付金だけは過大にアピールされておりますが、一緒に「4月から介護保険のサービスが思い切り下げられます」と一行書いて欲しかった。</p>
　今回の改訂で９０歳以上で、よぼよぼで杖をついて、あるいは老人車で移動し、風が吹けば倒れそうで、いつある日朝死んでいてもおかしくない超高齢者でもなんとか自分の事が自分でできたら、要支援です。まさに悲惨であります。

<p>　テレビでみた悲惨な外国の老後の姿が日本での現実になりつつあります。</p>
　国民皆保険が死に、年金制度が死に、そしてついに平成21年4月には介護保険も死んでしまうでしょう。</span>]]>
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 <title>平安楽土  :: 時評</title>
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 <description>　21世紀に入って早くも9年目を迎えたが、戦争の世紀であったといってもよい20世紀への反省は活かされずに、いまもなお世界の各地で、みにくい戦争が続発している。　戦争がなぜ起きるのか。平和を構築するためには、戦争の研究をなおざりにすることはで...</description>
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 <pubDate>Sat, 14 Mar 2009 21:34:12 +0900</pubDate>
 <category domain="http://www.yokokai.com/index.php?mode=category&amp;sub=時評">時評</category>
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<span style="font-size: 12pt;">
<p>　21世紀に入って早くも9年目を迎えたが、戦争の世紀であったといってもよい20世紀への反省は活かされずに、いまもなお世界の各地で、みにくい戦争が続発している。</p>
　戦争がなぜ起きるのか。平和を構築するためには、戦争の研究をなおざりにすることはできないが、平和がなぜつづいたのか。平和であった時代の考察もさらに進める必要がある。

<p>　徳川300年（実際は264年）は、平和の時代であったといわれがちだが、その内実は必ずしもそうではない。徳川家康が征夷大将軍となって開幕したのが慶長8（1603）年である。</p>
　その後に大坂冬の陣があり夏の陣が起こる。元和偃武（げんなえんぶ）とはいうけれども、寛永14（1637）年には島原の乱が勃発する。総勢3万7000という反乱軍を12万余の軍勢で鎮圧した大事変であった。

<p>　天保8（1837）年の大塩平八郎の乱、元治元（1864）年の禁門の変など、戦乱はあいついでいる。</p>
　それに対して、延暦13（794）年の11月8日、都は平安京と命名され、「平安楽土」を願って展開された平安時代は、江戸時代よりもはるかに平安の時代であった。

<p>　もっとも保元の乱（1156年）以後の京都の実相は、非平安だが、それまでの間にいくつかの政変はあっても、大規模な戦争はなかった。</p>
　10世紀前半の承平・天慶の乱を軽視するわけにはいかないが、平将門や藤原純友らの武力蜂起は挫折した。

<p>　平安時代が日本の各時代のなかで、もっとも平安の時代であったことが再発見され、平安時代がいかに平安の世紀であったかを、あえて強調したい。</p>
　大同5（810）年の藤原薬子の変のおり、兄の仲成は死罪と定まったが、「死する者は再びかへらず、遠流無期の罪は死罪に同じ」として遠流となった。この「大同の例」は、保元の乱で平忠正・源為義が死罪となる日まで、守りつづけられた。

　実に346年の間、死刑の執行がされなかった、人類史上の稀有の都が平安京であった。その深いえにしをかみしめたい。</span>
<p><span style="font-size: 8pt;"></p>
京都大学名誉教授
<p>上田　正昭</p>
2009年3月14日
高知新聞　夕刊　「灯点」ひともし</span>]]>
 </content:encoded>
</item>
<item>
 <title>死と眠りの神  :: 医 学,精 神</title>
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 <description>　ギリシャ神話にはヒュプノスという眠りの神が登場します。穏やかで心優しい有翼の美青年で，夜が訪れると地底の宮殿を出て人々に安らかな眠りを与えます。　宮殿には3人兄弟の夢の神がいて，父ヒュプノスが眠らせた人の心のなかにさまざまな夢を生みだしま...</description>
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 <pubDate>Wed, 04 Mar 2009 23:20:29 +0900</pubDate>
 <category domain="http://www.yokokai.com/index.php?mode=category&amp;sub=医 学,精 神">医 学,精 神</category>
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 <![CDATA[
<img src="http://www.yokokai.com/PIX/s2/1236176429_img054.jpg" alt="74.4:400:578:111:160:img054:right:0:0::"/>
<p><span style="font-size: 12pt;">　ギリシャ神話にはヒュプノスという眠りの神が登場します。穏やかで心優しい有翼の美青年で，夜が訪れると地底の宮殿を出て人々に安らかな眠りを与えます。</p>
　宮殿には3人兄弟の夢の神がいて，父ヒュプノスが眠らせた人の心のなかにさまざまな夢を生みだします。年長のモルペウスはあらゆる人間の姿に変身して夢に現われ，神のお告げを伝えます。薬物モルヒネの名前は，このモルペウスにちなんでつけられました。

<p>　2番目のポベトールは動物の姿をして現れます。かわいい小動物で登場してくれればありがたいのですがその逆で，しかも悪夢の神なのです。ここから「恐怖症（フォビア）」という言葉が生まれました。</p>
　3番目のパンタソスは物体の形で夢に登場します。姿形が奇怪であるばかりでなく．非現実的な夢を生みだします。ここから「幻想的な（ファンタジー）という言葉が生まれました。

<p>　眠りの神ヒュプノスにはタナトスという兄がいてこちらは死の神です。ともに地底の宮殿に住んでいますが，性格は全く違って兄は鉄の心臓と青銅の心をもち「その時」が来ると容赦なく魂を奪い去ります。</p>
　画像はこの兄弟神がトロイ戦争の英雄サルペードーンの亡骸を戦場から祖国リュキアヘ運ぼうとしているところです。死者の肩を支えているのが兄タナトス，足を支えているのが弟のヒュプノスといわれています。

　臨終に眠りの神が寄り添うのは，死に逝く者に永遠の眠りを授けるという大事な役目があったからです。</span>]]>
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 <title>夜光杯  :: エッセー</title>
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 <description>　西安はかつて長安とよばれた唐の都だった。当時、長安はシルクロードを通じて東西の珍品が集まり、酒楼などでは西域から伝わった葡萄酒を夜の光に輝く玉杯で飲んだという「夜光杯」。その妖しげな名の酒杯はどんなものだったろう。　古代、夜光杯は白玉を研...</description>
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 <pubDate>Sat, 14 Feb 2009 13:13:13 +0900</pubDate>
 <category domain="http://www.yokokai.com/index.php?mode=category&amp;sub=エッセー">エッセー</category>
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 <![CDATA[
<img src="http://www.yokokai.com/PIX/s2/1234584793_img049.jpg" alt="23.5:400:573:112:160:img049:right:0:0::"/>
<p><span style="font-size: 12pt;">　西安はかつて長安とよばれた唐の都だった。当時、長安はシルクロードを通じて東西の珍品が集まり、酒楼などでは西域から伝わった葡萄酒を夜の光に輝く玉杯で飲んだという「夜光杯」。その妖しげな名の酒杯はどんなものだったろう。</p>
　古代、夜光杯は白玉を研磨してつくられていた美しい酒杯である。夜光杯の名が書物に登場するのは漢代に遡るといわれている。漢代の東方朔の記した『海内十州記』によれば、「周代に西域の者が玉でつくられた刀と夜光にきらめく杯を王に献上した。杯は白玉の極めて上質なもので、夜間も光り輝く」とある。

<p>　一方、涼州では祁連山脈から採れる「祁連玉」を使って夜光杯がつくられた。夜光石ともよばれる祁連玉は、墨色の模様の入った緑色をしていて、きめが細かくなめらかな質感を持っている。玉を薄く削って酒杯にすると、夜の光を通して緑色に輝くことから宝物として珍重された。</p>
　シルクロードによって繁栄を極めた唐代の長安では、夜光杯に西域から伝わった高級な葡萄酒を入れて飲むことも上流階級にあったと言われている。しかし、後世まで夜光杯を有名にしたのは唐代の詩人、王翰の『涼州詞』の一首である。ただし、その夜光杯が祁連玉だったかどうかは定かではない。

葡萄の美酒に夜光杯
飲まんと欲すれば　琵琶馬上に催す
酔うて沙上に臥す　君笑うこと莫かれ
古来征戦　幾人か回（かえ）る
　　　　　　　　　　　　　　　王翰　『涼州詞』　唐詩選より</span>
<img src="http://www.yokokai.com/PIX/s2/1234584793_img050.jpg" alt="75.6:400:762:84:160:img050:right:0:0::"/>]]>
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