傍観放置も自殺の一因 栃木中3死亡控訴審(3/28)
1999年に栃木県鹿沼市立中3年の臼井丈人君=当時(15)=が自殺したのは、いじめが原因として父克治さん(55)と母治代さん(59)が栃木県と鹿沼市に計約1億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は28日、240万円の支払いを命じた1審宇都宮地裁判決を変更、いじめと自殺の因果関係を認め、県と市の賠償額を1100万円に増やした。
江見弘武裁判長は「いじめでうつ病になった。暴行した生徒だけでなく阻止せずに傍観した級友のひきょうな態度もいじめであり、その後の自殺の一因。教師は加害生徒をしかることも被害生徒の心の痛みを教えることも怠った上、傍観者を指導する義務も果たさなかった」と判断した。
いじめと自殺の因果関係を認めた判決自体少なく、賠償額もこれまでの訴訟より高額な上、傍観者への注意義務違反も認定したのは極めて異例とみられる。
ただ自殺の予見可能性が認められなかったことから、克治さんは「納得いかない」として上告する意向を示した。
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