活字ばなれ

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活字を読まない羊たち

東京の大手出版社の編集責任者の話です。
「いやぁ、売れない、本はもちろん、週刊誌も月刊誌も」
彼は打つ手なし、といった感じで話します。名の通った週刊誌、月刊誌ともほとんどが部数を減らしている。それも何万部単位で。

原因はさまざまです。駅の売店に置いてくれるところが減ってきた。雑誌は場所を取るから、というのも理由の一つ。あるいは地方の本屋さんが廃業したりして減った。地域の書店が消えるということは、宅配がなくなり定期購読者減少、という流れです。

「それより何より、本を読まないでしょう、今の人は」
全く同感。本も雑誌も新聞も。最近は慢画もネットで、という状態。紙の媒体はどこも苦戦を強いられています。

きちんとした文章を読まない、書かない、情報は必要なものだけネットで、という世代が増え続けて行き着く先は、杞憂かもしれませんが、私は日本人の総幼稚化、物事の表層しか見ない人が急増するように思えてなりません。

今の大学生が驚くほど物事を知らないというのは、多くの大学関係者が口をそろえます。あるいは入社試験でいろんな企業の間で数年前から言われ始めたのが、「書けない、読めない」。

原稿用紙3枚に論文を書かせると、1枚ちょっとで終わってしまう。国語のテストでは、本当に大学生かと疑いたくなるケースもしばしばだそうです。

きちんとした文章を読む、そして書くという行為は間違いなく脳の前頭前野を鍛え、感情をコントロールし、想像力を豊かにすると脳学者は指摘します。

近年頻発している説明しづらい事件も、果たしてこうしたことと無縁なのでしょうか。ネットを否定するわけではないのですが、それだけでは足りないということに気付いてほしいと願うばかりです。
   
危機感を持った学校現場では、徐々に取り組みを始めているところも増えています。朝の読書運動や新聞を使ったNIE(教育に新聞を)授業などがそれです。活字を読むことで、授業態度や生活態度に効果が表れ始めている、という報告もあり
ます。

「民」の字源は、「針で目をつぶされた奴隷」。最後に書く斜めの線は、瞳を突く針だった象形文字の名残です。

物事の本質が見えない、あるいは見ようとしない民は、表面的な情報に流され言いなりになる奴隷かもしれません。国にとってはコントロールしやすい、お上に従順な羊とも言えます。

活字を読まない羊たちを眺めながら、陰でほくそ笑んでいる人はだれでしょうか


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― posted by 大岩稔幸 at 01:59 pm

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