天照大神は天神(アマツカミ)の代表、素戔嗚尊は地祇(クニツカミ)の代表的存在として崇敬されています。特に素戔嗚尊は、母の死に慨き悲しみ、あるいは天照大神との勝利に驕り、さまざまな罪も犯しましたが、高天原からの追放という悲境に自ら雄々しく立ち向かい、遂にこれを克服して、善悪を超えて彼岸に到達したわが国最初の英雄神でもあります。
 素戔嗚尊こそが、日本神話の中で一番個性的で魅力的な神であるともいえます。それというのも、現に素戔嗚尊を祀る神社は全国に数多く存在するからです。天照大神よりも圧倒的に多いのではないでしょうか。その多くは、「祇園さん」、「天王さん」と呼ばれて親しく信仰されています。
祇園さん