大きな車

GPZ900R

 高名な自動車評論家である徳大寺有恒さんが、60歳を過ぎてから「年を取って、大きな車が少々しんどくなってきた」と書いているのを見て、元プロレーサーにしてこうかと、妙な感心をした記憶がある。

 むろん、氏の言う「大きな車」の基準は私たちとは異なろうが、加齢とともに身体能力が低下するのは誰にも避けられない。近年は高齢者が加害者側になる交通事故も増えている。

 高齢ドライバーの特性として、身体能力の低下とともに挙げられるのが、とっさの判断力だ。危険を認識してから止まるまでの距離が長くなる。右折時など、対向車の速度を見誤ることが出てくる。

 意識と運転のズレも指摘される。高齢者は概して免許歴が長く、自身の運転に自信と誇りを持っている。これが一番の盲点のようで、ここは徳大寺さんに倣い、身体能力の低下を自覚することから始めよう。

 高齢者であることが一目で分かる新しいマークがスタートした。「枯れ葉みたい」と評判の悪かった爐發澆賢瓩ら、四つ葉のクローバーをモチーフに、若々しい緑や豊かな人生経験を表す黄などを配したものに変わった。

 対象は70歳からだが、県内の65歳以上のドライバーは10万2千人。団塊世代が加われば、さらに多くなろう。掲示は努力義務とはいえ、マークをつけていれば周囲の車も注意してくれる。「年寄り扱い」などと言わず、自らを守るためと割り切りたい。










高知新聞
小社会
2011年02月02日08時24分

― posted by 大岩稔幸 at 10:10 pm

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