マスコミの崩壊

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 私はもともとマスコミに悪感情をもっていたわけではありません。しかし、昨今のあまりにも勉強不足で現状を認識しないとんでも報道をくりかえすマスコミにはあきれています。

 たとえば、救急で患者さんの搬送先探しが困難な事例が増えていますが、ひとつには救急指定病院がその指定を返上し、救急病院自体の数が減っている問題があげられます。そもそも救急をすればそれなりの人件費がかかるのは当然のことなのですが、それをカバーできるだけの病院に対する報酬が少ないということが根本的問題としてあげられます。また、以前より日本の人口あたりの医師数は国際比較でも極めて少ないのですが、少ない人数でもなんとか支えてきたのが実状でした。僻地病院のなかには、自分の専門分野でなくとも患者さんを受け入れ、自分のできるかぎりのことをしていた医師も多かったと思います。しかし、裁判所の判例によって不十分な体制で患者さんを受け入れれば、医師や病院は被告にされ、莫大な賠償金を払う危険性が高まり、救急現場でも常にその分野の専門医と同等のレベルが要求されることになりました。ですので、たとえば、深夜の緊急手術中に患者さんの受け入れ要請があった場合など、新しい患者さんを受け入れる余裕など、まったくないのが現状です。

 深夜の救急重症患者さんなどに対して多くの病院は『受け入れ不能』に陥っているのであり、病院や医師には患者さんを受け入れる余裕などないのが現状であるのに「たらいまわし」とか「受け入れ拒否」などと報道するマスコミは医療崩壊の現状を冷静に認識しているとは思えませんし、ただ感情にまかせて医師や病院を叩いているにすぎません。これはマスコミによる医師の社会的虐待といっていいでしょう。

 現状認識が間違っていてもそれが日本の医療をよくする方向に働くならまだ許されるのですが・・・・現場の医師は自らが労働基準法に照らし合わせると違法な状態で働いている事を認識していますし、それでも医療を支えようとする責任感で救急現場を支えています。

 しかし、マスコミには叩かれ、大臣には医師のモラルの問題だなどといわれれば、そんな責任感も崩れてしまうでしょう。そうすれば、ますます患者さんの受け入れ場所はなくなります。

 すなわち、
1.極めて少ない診療報酬を体系をつづける日本政府
2.医師をはじめとした医療スタッフの人員不足を招いた政府の失策
3.とんでも裁判官によってなされた判例
4.マスコミによる医師の社会的虐待
5.国民による医療現場の無理解

 こういったことが、医療崩壊の原因となされるべきであります。

 そして、マスコミは日本の医療を崩壊に導いている主役であることを確信してからというもの、テレビはほとんどみなくなり、二度と新聞の購入はしないことを心に誓いました。





http://ameblo.jp/showatti/ Link

― posted by 大岩稔幸 at 10:59 pm

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