日本には、北海道から沖縄まで数100もの「埋蔵金伝説」があるといわれています。
中でも知名度が高く、これまでテレビ番組や雑誌などで何度も取り上げられてきたのが、「徳川埋蔵金伝説」です。
この伝説は、1868年(慶応4年)4月11日に、江戸城が無血開城になった日から始まります。西郷隆盛率いる新政府軍が江戸城に入ると、まず御金蔵へ向かったそうです。
財政難に喘いでいた明治新政府は、幕府御用金を資金源に当て込んでいたからです。ところが、城内の御金蔵はどこも空っぽだったので、おそらく、「そげんこたあん」(そんなことはない)と憤慨したことでしょう。
新政府は、幕府が隠匿したと判断して御用金探しを始めます。でも・・・新政府軍の捜索やこれまでの発掘プロジェクトがそうであったように、全く成果のないまま今日に至っています。
それより、ありかがはっきりしている埋蔵金のほうが気になります。経済財政諮問会議の民間議員は7月に開かれた会合で、国の特別会計にも一般会計と同様の歳出削減目標を設け、2009年度予算から反映させるよう提案しています。
特別会計については、以前からムダ使いが指摘されていました。塩爺が言い放った、「母屋(一般会計)でお粥をすすっているのに、離れ(特別会計)ではすき焼きを食べている」という発言はあまりにも有名です。
特別会計は、政府特別事業のための会計で国会の審議を必要としません。2008年度の特別会計規模は368兆円、各会計間の重複計上部分を除くと178兆円が実質的な予算規模になります。これに対して一般会計が83兆円(2008年度)ですから、一般会計より一ケタ大きい予算が国会審議を経ないで執行されるのは透明性を欠きます。
埋蔵金を掘り当てた元内閣参事官の高橋洋一さんによると、特別会計には約45兆円もの剰余金(埋蔵金)があるそうです。さらに、独立行政法人にも埋蔵金が隠されているそうです。
なんでも、独立時に政府資産を分離資産として嫁入り道具に持たせたのですが、その時の資産精査が甘かったことから、約数兆円も眠っているそうです。確かに、「特別会計改革」も進められているのですが、一般会計に繰り入れても問題のない繰越金が5兆3000億円あるにもかかわらず、2008年度に一般会計に繰り入れられられた額は1兆9000億円です。
ただ、政府は、2010年度までに31ある特別会計を17に積立金や余剰金を国債返済および一般会計繰り入れに充てる方針を固めています。
麻生内閣初の経済財政諮問会議(首相の諮問機関)が10月17日に開催され、国民の関心が高い社会保障制度や税財政改革について議論を開始しましたが、埋蔵金が活用できれば、2011年度まで続く社会保障関係費の機械的削減もクリアできますし、2010年度改定や医薬品の審査・承認・安全対策にも財源をまわすことができる。
その間に、後期高齢者医療制度を含む医療保険制度の財源手当についてしっかり議論を尽くせばよいと考えているのだろう。
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